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「ポジティブデビアンス」という言葉をご存じでしょうか。他の人たちと「同じような境遇」で、環境的に恵まれているわけでもないのに、「他の人とは違ったアクション」で、課題を乗り越えている人を見つけ出し、その「アクション」を展開することで、課題解決を図るアプローチ手法です。
ひとつの例をご紹介します。
1990年、貧しかったベトナムのある村では、大半の子どもが「栄養不良」でした。
しかし、その村の「栄養状態が良好」な子どもたちの中に、裕福な家庭でもなく、知識層でもない家庭の子どもたちも少数、存在していました。「いかにして、そのようなケースが生まれるのか?」専門家と村人が一緒になって観察研究を実施した結果、「道端の草、田んぼにいる小エビやカニを食べること」が重要であったと判明。拍子抜けするほど、シンプルなその解決策を展開することで、長年、解決に至らなかった問題が解消されていきました。
私たち、モチベーションアカデミアは、「U-18(18歳以下)の人材育成」領域の課題を、まさにこのようなアプローチで乗り越え、社会をよりよい場所にしていく存在です。
モチベーションアカデミアはリンクアンドモチベーションが2000年の創業以来、多くの企業組織の変革支援を行うなかで芽生えた強い想いから設立されました。
それは、「個人」と「組織」の双方が輝くために、アイカンパニー(自分株式会社。自分自身をひとつの会社に見立て、その経営者として、自立的・主体的に自らの人生を切り拓いていくという考え方)をもっと世の中に増やす必要がある。そのためにはU-18からの人材育成が重要であるというものでした。
なぜ、そのような想いを抱いたのか、それは日本の「大人たち」の姿を見てきたからです。
2023年に公表された米国、ギャラップ社の調査によると、日本における「熱意あふれる従業員」の割合は、わずか5%で対象125カ国のなかで最低スコア。別の調査では、日本における「社会人が学ぶ時間」は、アジア・欧米の18カ国・地域で最下位。
世界幸福度ランキングにおいても、先進諸国のなかで最低水準の状況が長く続いています。国民性による影響もあるでしょうが、治安に課題を残すブラジルや、デフォルト(債務不履行)を繰り返すアルゼンチンよりも幸福度が低いという状況は、世界でも指折りの安全さを誇り、物質的にも恵まれている経済大国とは思えないものです。
では、なぜ、そのような状況になっているのか。
私たちは、U-18の子どもたちの姿にその解決の糸口があると感じています。
日本の子どもたちは、世界トップレベルの学力を持っています。PISA調査(国際的な学習到達度調査)においても、それは証明されています。これは本当に素晴らしいことです。
その一方、「自信」に関する指標はOECD加盟国の中で最低水準。また、別の国際比較調査では、「何か夢中になれることがある」「人に誇れる個性がある」「自分の人生には、目標や方向性がある」「自分のしていることには、目的や意味がある」などの指標で最低水準という結果も出ています。
私には、今の子どもたちの状況が「日本社会の縮図」になっていると思えてなりません。
こういった状況も踏まえたうえで、これからの時代において、U-18の子どもたちに必要な人材育成とは何なのか。
私たちの想いを理想で終わらせないために、私たちに何ができるのか。
モチベーションアカデミアは、使命感を持ちながら、そして、その先に見えるビジョンに心躍らせながら、その問いに挑み続けてきました。
私たちは、「人生の本気のパートナー」という自己定義で、「自分の道を自分で選べる大人に」をコンセプトにした学習塾を運営しています。
2010年の創業以来、多くのお子さんや親御さんと対峙し続けてきました。
そこでは、「学力」だけではなく、これからの社会で活躍するために必要なマインドやスキルの習得を通じて、 「人生を自らの手で切り拓く個人」を育んできました。
私たちの想いに共感していただける方が増え続け、現在では全国に約20校を展開しています。
また、その共感の輪は、お子さんや保護者以外にも広がってきました。
少しずつですが、産官学連携の機会や、全国各地の教育委員会、学校(小中高大)、官公庁との連携やご支援の機会も増えてまいりました。民間サイドから、理想の教育をスピーディーに追究し続けることの意義を感じる日々です。
しかしながら、私たちが見据えるビジョンは、ひとりひとりがイキイキとした社会を実現すること。まだまだその景色を見るための航海の序章です。
リンクアンドモチベーショングループが25年間で培ってきた「技術」や「ブランド」、「ネットワーク」を活用しながら、もっともっと力強く、社会全体に私たちのメッセージを発信し続けていきます。
子どもを取り巻く環境を変え、ひとりひとりがイキイキとした社会を実現するため。